「真っ暗な世界から見上げた夜空は星が降るようで」My Project day4 

6/5

この週末は天気が良いようだが個人的な用事(クライミングも個人的な用事だが、、)があるため登りにいけない。それ以降の週末は天気がいまいち期待できなくそろそろ梅雨入りするようだ。そこで平日カードを切ることにした。

件のMy Projectは前回ムーブを固めあとはRPするだけという段階。もともとパートナーが見つかりにくいエリアであるのでロープソロでの初登も視野に入れていたがなんと平日カードにも関わらず奇跡的なパートナーがみつかった。Xで交流のあるタカティだ。

そんな感じで前夜に集合して廻り目平に前泊。日の出に合わせて起床して6時にはキャンプ場を出発した。日中は気温も上がるはずだが、放射冷却の影響かとても寒い。

通いなれた道をあるき40分ほどで涸沢1峰とタワーゼロの間の広いスペースに到着。ここに通うのももう8日目だ。いい加減終わらせたい。とはいってもプロジェクトに関してはまともにトライするのは本日が初めて。核心が核心だけにこの日に登れる可能性は6割くらいかな?という感じだった。

最近マイブームになりつつあるウォーミングアップをして、最初はタカティのビレイをしてからいよいよ1便目。風邪は冷たく岩は乾いているようだが果たしてコンディションはどうか。

1st try RP

前回岩が折れてグランドフォールした出だしはさすがにもう安定した登りでこなしテラスへ。クラックの中に手を入れると、、、、し、しめっている、、、。とはいえフェイスは乾いていそうだし、クラック自体は多少濡れていても登れるだろうしそのまま上ることにした。

下部のクラックは完全にムーブが固まっておりカムセットをしながらでも余裕がある。でもやはり傾斜もあってなかなかタフだ。ダイクに上がりレストをするが手が冷たい。呼吸を整え、手をうなじで温め入念なレストを入れてからクラック上部へ

下部のクラックは完全にムーブが固まっておりカムセットをしながらでも余裕がある。でもやはり傾斜もあってなかなかタフだ。ダイクに上がりレストをするが手が冷たい。呼吸を整え、手をうなじで温め入念なレストを入れてからクラック上部へ。湿ってはいるが濡れてはいない。トラバースのフェイス部分は岩が乾いているしだいぶ余裕がある。核心手前のカムもセットしていよいよ核心だ。ここでも居心地が悪いながらもしっかりとレストをする。

核心のムーブはやはり迷っていた。デッドで行くか、固めクロスで行くか。結局、まずは精度もやや高いだろう固めクロスを選択した。足上げはいまいちしっくりこないがおそらく大丈夫だろう。フリクションはよく体も上がる。何より左手のカチが思いのほか持てて、そのままクロスを出したらガバまで届いた!!あとは振られに耐えるだけ!!声を出して左足を後ろにつき耐える。そうして右手も出して左足を上げる。でもまだまだここからも悪い。上部クラックにカムをセットしようと右足のふっとジャムに切り替えようとするが、、、あれ?なんか効きが悪い。。?まさか一便目でここまで来られるとは思っていなかったので今回は試験的にシューズをアスペクトプロにしてみたがふっとジャムがかなり甘い。。。これはまずい、、左手も徐々に滑ってくるしこのままでは落ちる。。。少し悩んだ末にカムセットは諦めそのままムーブをつなげることに。最後にきめたカムは足元はるか下だがそんなのは気にしない。左足の甘いトゥジャム、右手アンダー、左足片目のスメアからのニーバー、そしてチキンウイング、右手ガバ。やった!核心越えたぞ!というのは束の間、すかさず先ほど決められなかった0.75を足元にきめ、6番も決める。慎重に?ずり上がりダイクに立ちこむとようやく一息つける。

120スリングで延長した0.5をセットし安定したダイクで大レスト。ここからもう一仕事残っているのだ。やっぱりこのライン取りにしてよかった。

状態をのけぞりながらダイクをトラバース。やはりアンダーは濡れているが前よりはましだ。ちょこちょこと進み再び元のクラックに戻り0.75をセットした。ここで終わりかと思いきやさらにもうひと工程残っている。我ながら濃厚なルートにしたな。とはいえムーブはできておりもろいガバをつないで、テラスに立ち上がるとそこには数日前に設置した終了点が待っていた。

やったぞ!

フォロー回収にするか、ろわーで回収するかけっこう悩んだ末にろわーにしたら回収は大変だった。

「真っ暗な世界から見上げた夜空は星が降るようで」 5.12a FA

名前はsupercellの君の知らない物語の一説から引用させていただいた。どんな名前にしようか結構悩んだ。流れ星と同じ壁にあるのもあり「星」に関する名前にしたいなーとはなんとなく思っていた。前回ひとりで来た際の帰り道にyoutubeでアニソンメドレーを流していたところ、この曲が流れたときに電流が走った。それまで考えていた候補をごぼう抜きにして最有力候補となり数日考えるうちにこれしかないと思った。ルート名としては長いが、それもまた味があっていいのでは?と思っている。

ちなみにグレードは5.12にしているが悩ましい。正直5.12あると自信をもって言えるほどではない。でも自分が今まで登ってきた基準からするにギリギリ5.12を満たしているような気もする。文武は両道とかめおとクラックとかお邪魔虫とか雄鹿とかこれより簡単な5.12はいくらでもある(一方でこれよりも難しい5.11dも山ほどあるが)。体感としては5.11⁺~5.12‐といったところ。ただ核心はリーチ―な所もあり(少なくとも自分はリーチムーブだった)、もしかしたら5.12aでも辛いと思う人はいるかもしれない。自分のフェイス経験が不足しているためにここのグレーディングはよくわからなかった。

最初に涸沢1峰を訪れたのが5月3日。その時にふと目に入ったこのクラック。「きれいなクラックだなー」と思った。そこからは流れ星に夢中でいったんはこのクラックのことを忘れていたけど、玄太さんからもらったドローンの写真を見て「もしかしてつながってるんじゃない?」と思い、偵察&掃除を開始したのが5/18のこと。当初イメージしていたクラック直上は中間部でクラックが完全に閉じていて諦めたけど、右に迂回するラインを見出すことができた。そこにはなんと古の残物であるリングボルトが、、、。でもその上は登った形跡がなくておそらくこれを使って降りたんだろうなーと想像がよぎる。だからうらぎり者クラックなのか、とか。

とにかく初めての開拓で、30mもあるこんな美しいラインを、開拓の余地が残っているかどうか怪しい小川山に、それも流れ星と同じ壁に、ナチュラルプロテクションで登ることができたのは奇跡としか言いようがない。

自分では面白いと思うこのラインがみんなにどう評価されるのか不安だし楽しみだなー。

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