自立と不自由の境目で

 骨折をしてから3週間ほどが経つ.この3週間は左足が使えず松葉づえで生活をしている.医療関係者なので松葉づえをついている人以外にも様々な要因で身体的活動を制限されている人を見てきていたが大変そうだなと単に持っていただけだ.だがこの生活,いざしてみるととても不便だ.両手が使えないので扉を開けるのが大変だ.階段昇降ではバランスを崩すとケガをしそうで怖い.雨が降ると松葉づえが滑って転びそうになる.傘をさすのも一苦労だ.そんな生活をしているとふとしたやさしさに触れることが多い.世界はこんなにやさしかったのかと思う.扉を開けてくれる,道を開けてくれる,荷物を持ってくれるなどなど.こういった行為は純粋にありがたい.ありがたいのだが余計なお世話だよと思うときもある.というよりは自分のことは自分でやりたいという気持ちか.感謝の気持ちの最中で自立したいという気持ちもわいてくる.きっと多くの不自由を抱えた人も同じことを思っているのだろう.弱者(もしかしたら現代においてはこの言葉遣いも不適切なのかもしれない)の立場に立って初めて見えてくるものもある.そのような状況の中で我々はどのようにかかわっていったらよいのだろうか.少しだけヒントをもらえたような気がした.

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